(心のご遺体搬送)故人様の特攻隊の元恋人が下した最後の決断とは、、、心の中で生きています。

2016年10月23日(日)4:14 PM

昨日、郷里で葬儀を行いたいという故人様の生前の御遺言で、千葉県柏市にある、国立がんセンター東病院から、山形県山形市までのご遺体搬送を承りました。故人様は、山形でお生まれになり、婚約を約束した恋人が戦争末期、特攻機に乗る事となり帰らぬ人となりました。最後に会うチャンスが有ったのですが、その恋人が別れ際がとても残酷な仕打ちとなるから、敢えて会わないようにしようと提言して、自分が死んでも悲しまないで良いよ。貴女の心の中にしっかりと生きていますから、、、、との最後の手紙だったそうです。

しかしあれから約70年経過して、故人様の中では、その彼への想いが長い年月の中でともし火の様に心の中でともっていたのでした。私も、長女様との業務的なお打ち合わせのお話しから、その様な世間話をお聞きして、涙が溢れてきました。故人様の恋が仮に成就していたら、現在の娘さんにも当然生まれてこなかっただろうし、家族も出来なかったでしょう。その後、故人様は千葉県に出てきて其処で新たなご主人様後出会い結婚。その後新たな人生が始まったのでした。 人生とは不思議なものです。人との出会いで人生が大きく変わって行く。ご遺体搬送とはその故人様の想いをお運びする仕事で有るのです。考えたら素晴らしいお仕事だと感じました。

私と、長女様が車内でその様なお話を故人様は聞いていたからか、最後現地に到着し現地の葬儀社へお引渡しをするときに、故人様のお顔が不思議とほころんで優しい感じの眼差しに微笑んでいるような気がしたのです。

郷里で葬儀をする理由は、ご親族一同のご配慮で、故人様のご遺骨をパウダー化して、僅かな量を、元恋人遺品納物したお墓の周りの樹木にほんの一部を御まきになりまりいつまでも一緒に永遠の眠りにつく為だそうです。結婚されたご主人とは離婚されていましたので郷里ご親族のお墓に里帰りする為に、郷里での葬儀となったそうです。

 

私は、今激動の時代を駆け抜けてきた、高齢者様は、むしろ今の若者より熱く生きて来た証が様々なエピソードをお聞きします。

恋心(人を愛する心)愛国心(特攻機で命を捧げて国を助けようとする自己犠牲精神・戦争は決して良くない) 現代社会人が失ってしまった大切なマインドが、特に昔の若者には有ったと思います。

 

いつも大切なことは、御客さまからお教えいただく事が多く御座います。今後とも、故人様の想いを乗せた搬送をして参りたいと思います。

 

                                                                霊柩搬送事業部 大井


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